自然対数の底(ネイピア数)

ネイピア数とは

ネイピア数 \(e=2.71828182845904 \cdots \) (鮒一羽二羽一羽二羽しごく惜しい)

\(e\) は自然数の階乗の逆数を合計したものでもあります。

\[ e = \frac{1}{0!} + \frac{1}{1!} + \frac{1}{2!} + \frac{1}{3!} + \frac{1}{4!} + \cdots \]


定義

ネイピア数の定義は下記2通りある。

\[ e = \lim_{n \to \infty} \left( 1 + \frac{1}{n} \right) ^ n \]

もしくは

\[ e=\lim_{h \to 0} ( 1 + h ) ^ {\frac{1}{h}} \]


重要な性質

ネイピア数「 \(e\) 」を底とする指数関数 \(y=e^x\) は重要で、\(e^x\) は微分しても積分しても \(e^x\) となり、何回微積分しても変わらない唯一の関数としても知られる。 どちらかというと、そうなるような値を求めて \(e\) としたと考えた方がいい。

「何回微積分しても変わらない」というのは、意味合い的には加法(足し算)においては \(0\) 、 乗法(掛け算)においては \(1\) で、どちらも相手を変化させないですよね。数学ではこういう値が重要なのです。

ネイピア数の指数関数と対数関数の変換

\[ \begin{eqnarray} C &=& e^{C’} \tag{1}\label{ex_log1} \\\ C’ &=& \log_{e} C \tag{2}\label{ex_log2} \end{eqnarray} \]

指数関数と対数関数の変換から、 \( \eqref{ex_log1} \) を \( \eqref{ex_log2} \) の形に変換

\[ e^{C’} \Longrightarrow e^{log_{e}C} \tag{3}\label{ex_log3} \]

\( \eqref{ex_log3} \) で \( \eqref{ex_log1} \) の \( C’ \) に \( \eqref{ex_log2} \) を代入

\[ \Longrightarrow C = e^{log_{e} C} = \exp(\log C) \tag{4}\label{ex_log4} \]

結果、 \( \eqref{ex_log4} \) のように書くことができる。

ネイピア数関係の関数表記

\[ \begin{eqnarray} \log_{e} x &\Longleftrightarrow& \ln x \tag{1}\label{e_ln} \\\ e^x &\Longleftrightarrow& \exp(x) \tag{2}\label{e_exp} \end{eqnarray} \]

\( \eqref{e_ln} \) 、 \( \eqref{e_exp} \) ともに左右は同じ意味になる。 プログラミング言語では、一般に \( \eqref{e_ln}\) 、 \( \eqref{e_exp} \) を

\[ \begin{eqnarray} \log ( x ) \\\
\exp ( x ) \end{eqnarray} \]

と表記する。

読み方・由来

\( ln(x) \)

読み
自然対数
エルエヌ
由来

\( \ln \) はラテン語の「logarithmus naturalis」の略らしいです(自信はないです)。 私はずっと「log natural」の頭文字だと思っていました。

\( \ln(x) \)
エルエヌ エックス
x の自然対数

\( exp(x) \)

読み
イーエクスピー
自然指数関数
指数関数
由来
exponential
指数関数的な
\( \exp(x) \)
イーエクスピー エックス
自然指数関数 x