Disk Utility を使っても 1TB までしか拡張されない

Catalina にアップグレードしたのを期に、TimeMachine のディスクを 4TB のものに換装しました。 換装の際、前回の

Time Machine 用 HDD を移行しようとして時間を無駄にしつつ解決するまで

この方法でバックアップを引き継ごうとしたのですが、どういうわけか 1TB までしかパーティションサイズが大きくなりません。 今回はこれを解決します。

参考:

必要なもの:

  • 有線キーボード
  • 有線マウス

First Aid も正常終了するが大きくならない

本当に何度再起動をかけても、 First Aid をやっても、リカバリーモードで実行しても大きくなりません。 Disk Utility ではお手上げのようです。何か別の方法を探します。

実は、簡単に修復できるツールがあります。 gpartedです。 起動すると、「このディスクは、容量を目一杯使えない設定になっているが、使えるようにするか?」と、聞いてきます。

見えなくなった107GBパーティションが復活

ディスクユーティリティでパーティションを確認する。「DATA2(107.24GB)」が今回復活したパーティションだ。 なぜかRecoverry HDも作成されていた。

Linux の gparted を利用するとパーティションサイズの変更ができそうです。その準備をしていきます。

起動セキュリティユーティリティで Linux を起動できるようにする

Catalina からセキュリティが強化され、通常の状態では Linux などを外部ディスクから起動することができなくなっています。

起動セキュリティユーティリティについて

起動セキュリティユーティリティを使えば、いつでも指定した起動ディスクから、正規の信頼されたオペレーティングシステムを使って Mac が起動するように徹底できます。

Apple T2 セキュリティチップを搭載した Mac コンピュータ にだけ付属している起動セキュリティユーティリティは、 3 つの機能 ( ファームウェアパスワードによる保護安全な起動外部起動 ) を使って、Mac を不正アクセスから守ってくれます。

これを解除するには起動ディスクユーティリティを利用します。

起動セキュリティユーティリティを開くには、以下の手順を実行してください。

  1. Mac の電源を入れ、Apple ロゴが表示されたらすぐに「command (⌘) + R」キーを押し続けます。Mac が macOS 復元から起動します。
  2. 「macOS ユーティリティ」ウインドウが表示されたら、メニューバーから「ユーティリティ」>「起動セキュリティユーティリティ」を選択します。
  3. 認証を求められたら、「macOS のパスワードを入力」をクリックし、管理者アカウントを選択して、そのパスワードを入力します。

起動ディスクユーティリティでは以下のように設定します。そうしなければ外部ディスクから Linux を立ち上げられませんでした。

安全な起動
セキュリティなしを選択
許可する起動メディア
外部メディアまたはリムーバブルメディアからの起動を許可を選択

Live USB を作成する

Linux のインストール用 USB を作成します。インストール用イメージの中の gparted を利用します。 gparted の Live USB も存在します が、こちらは起動ディスクとして表示されず macOS から起動することができませんでした。

利用する Linux は Linux Mint Cinnamon にしました。

USBドライブへの書き込みは Create a bootable USB stick on macOS | Ubuntu の方法を使いました。

まずいらない USB を FAT にフォーマットします。

  • Launch Disk Utility from Applications>Utilities or Spotlight search
  • Insert your USB stick and observe the new device added to Disk Utility
  • Select the USB stick device (you may need to enable the option View>Show All Devices) and select Erase from the tool bar (or right-click menu)
  • Set the format to MS-DOS (FAT) and the scheme to GUID Partition Map
  • Check you’ve chosen the correct device and click Erase
フォーマット
FAT
方式
GUIDパーティションマップ

でフォーマットする。

注意 : フォーマットすると USB メモリ内の全てのデータが消去される。

Linux Mint の iso を転送します。転送には Etcher というソフトウェアが利用できるそうです。

Select image
will open a file requester from which should navigate to and select the ISO file downloaded previously. By default, the ISO file will be in your Downloads folder.
Select drive
replaced by the name of your USB device if one is already attached, lets you select your target device. You will be warned if the storage space is too small for your selected ISO.
Flash!
will activate when both the image and the drive have been selected. As with Disk Utility, Etcher needs low-level access to your storage hardware and will ask for your password after selection.

iso イメージと転送先の USB ドライブを選択する。

選択ミスに注意する

管理者パスワードを要求される

書き込みが開始される

書き込み後、内容の検証が行われて

書き込み完了する

起動できる状態になったのでコンピュータを再起動し、 Linux Mint を立ち上げます。

Linux Mint では macbook のキーボードやトラックパッド、純正マウスを利用できません。 何かしらの有線マウスと有線キーボードが必要です。

gparted を立ち上げる

先程の USB とTimeMachine ドライブをコンピュータと接続した状態で、起動時に option キーを押し、 起動ディスクを選択します。選択する起動ディスクは一番右の EFI Boot です。 中央の EFI Boot では起動に失敗しました。

一番右が成功。中央は起動しない

Live USB は互換モードで立ち上げます。2番目の項目を選択します。こちらも通常起動はできませんでした。

一番右が成功。中央は起動しない

起動すると大きな解像度で起動します。解像度の変更は現時点ではできませんでした。

画面がとても大きい。中央が gparted

ターミナルから gparted と入力し、 gparted を起動します。 gparted が起動した瞬間から、最初の方で言及されていたパーティションサイズの修正を勧められます。

/dev/sda のサイズがおかしいようだ。

fix を押してサイズを修正の後、空き領域に新たなパーティションを作ります。 右上から TimeMachine のドライブを選択します。

間違いがないかパーティションのサイズと内容を確認する。

間違いがなさそうであれば空き領域を選択後、左上の create new partition ボタンを押します。

空き領域を確実に選択して create new partition を押す

ダイアログが表示されます。空き領域が全て選択されていれば大丈夫です。 フォーマットタイプは Linux 用パーティションがよさそうです。 macOS 用パーティションを作成したら後でうまくいきませんでした。

新しい領域を作成する。

ここで作成した領域は macOS 側の Disk Utility で削除します。 削除することで TimeMachine のパーティションサイズをディスク全体に拡げます

パーティションを作成したら、中央の apply ボタンを押します。

Apply すると元に戻せないため、もう一度ドライブとパーティション構成を確認します。

Apply するまでは元のパーティション構成のまま

Apply をもう一度押すと実行される

専用のダイアログが顕れ、問題が起きなければ少し待った後にパーティションが作られた状態になります。 Linux での作業はここまでなので、 gparted を終了しメニューから再起動を行います。 次は macOS での作業です。

Disk Utility でパーティションを拡大する

macOS に戻ったら、 TimeMachine ドライブのパーティションを変更します。 ドライブが表示されておらず、パーティションだけ表示されている場合は、 表示メニューから 全てのデバイスを表示 します。

全てのデバイスを表示させる

ここで TimeMachine デバイスを選択し、 First Aid を行ってみました。 現状ではエラーが表示されます。

First Aid は現時点ではエラー

TimeMachine デバイスを選択したまま、パーティションボタンを押します。 パーティションの設定画面になります。

ここで先程作ったパーティションを選択し、下の - ボタンを押すことでパーティションを削除します。 削除すると自動的に TimeMachine 領域がドライブ全体へと拡張されます。

拡張されたのを確認し、適用ボタンを押します。

先程作成したパーティションを消去し、 TimeMachine 領域を拡大する

問題なく終わるとこのような表示になります。

パーティション領域が最大化した

この状態で First Aid を行ってみます。 問題なさそうです。

ドライブが正常になった

無事拡張完了しました。